月経回数増加と婦人病の関係

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1万年前の月経回数

1万年前と現代女性の月経回数を比較すると現代女性は月経回数が増加したことがわかる。1万年前と言うと栄養状態が悪く初潮が遅い、そして閉経も早い。また寿命も短い。乳児死亡率が高く多産が求められ、栄養状態が悪いので授乳期間は2~3年間あったとされる。(授乳期間は無月経とされる)1万年前の生涯月経回数は100回以下であるとされている。

現代の月経回数

現代女性は初潮も早く、閉経も遅い。そして妊娠回数も非常に少ない。授乳期間は約1年間。そうすると現代女性の生涯月経回数は400回を超える。

1万年前 現代
初潮から閉経 16~40歳 13~55歳
妊娠回数 4~5回 1~2回
授乳期間 2~3年 1年
生涯月経回数 100回以下 400回以上

月経回数増加が婦人病の原因だと考えられている

毎月の月経時に大量に分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が婦人病(乳がん・子宮内膜症・女性器系がん)の原因だと考えられている。
乳がんにおいては1960~70年代に比べて1990~2000年代には罹患者が約3倍に増えている。この時期は少子化が始まり出産回数が減少し月経回数が増えた時期と重なる。経口避妊薬を常用していた人、出産回数が多い人、卵巣を摘出した人にはこれら婦人病にかかりにくいことが疫学的にわかっている。

エストロゲンの主な作用
子宮 子宮内膜の増殖・子宮筋層の肥大増殖促進・頸管粘液の分泌増加
生殖器に対する作用 卵巣 排卵の調節
膣上皮細胞の角化・膣上皮細胞へのグリコーゲンの貯蔵
中枢神経系に対する作用 性周期の形成
乳房に対する作用 乳管の発育促進・乳汁分泌の抑制
皮膚に対する作用 皮膚コラーゲン量の増加・ヒアルロン酸、水分含有量の増加
血管に対する作用 血管の拡張
脂質代謝への作用 HDLコレステロールの増加・LDLコレステロールの低下
骨に対する作用 骨吸収の抑制
糖代謝への作用 インスリン抵抗性の維持、改善・糖代謝の改善

参考文献:「病気はどこで生まれるのか(技術評論社)」「名医の言葉で病気を治す。女性のがん(誠文堂新光社)」「女の一生の「性」の教科書(講談社)」「31歳からの子宮の教科書(discover)」「環境生殖学入門(朝日出版社)」

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