類人猿との精子比較と進化

2018-12月は奇形精子の役割を特集しました。その際にチンパンジーの乱婚であると述べました。人間を含め他の類人猿(ゴリラ・チンパンジー)のオスとメスの婚姻関係を見ると面白い精子の比較ができます。

類人猿との精子比較

チンパンジーは乱婚

「チンパンジーは乱婚」です。チンパンジーは排卵期にお尻が赤くなり複数のオスたちが争うように交尾して子宮内は他のオス同士の精子であふれかえり精子戦争が起きています。そのためオスには大量の精子・大きな睾丸が求められます。

ゴリラは一夫多妻

ゴリラの場合は一夫多妻で大きな身体を使った腕力でオスと戦いメスを獲得しているため、メスは他のオスが交尾することもなく精子戦争も起きません。そのためゴリラは少量の精子・小さな睾丸に進化しました。ペニスも約3cmと小さめです。

人間は一夫一妻

人間は基本的に一夫一妻。アフリカやイスラム社会では一夫多妻の国があるようです。身体はチンパンジー似ですが繁殖はゴリラに似ています。そのためか精子の数・睾丸の大きさを比べるとチンパンジーとゴリラの中間くらいになっています。

チンパンジー 人間 ゴリラ
婚姻関係 乱婚 一夫一妻 一夫多妻
体格 小さい 中間 大きい
ペニス 約8cm 約15cm 約3cm
睾丸の大きさ 人間の3倍 中間 小さい
精子数 約5~6億 約1~2億 約0.5億

人間の精子は悪くなる運命にある

子孫を残すために睾丸を大きく成長させたチンパンジー、身体を大きく成長させたゴリラ、それぞれの生存戦略が伺えます。人間の遺伝子はゴリラよりもチンパンジーに近いですが、メスとの婚姻関係を見ると精子戦争が起きていないゴリラに近いことが分かります。近年、人間の男性の精子数が減ったり運動率が悪くなっていると言います。しかし、それは進化の結果なのかもしれません。

参考:乱交の生物学(新思索社)