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男性の髭(ひげ)が女性に排卵を起こさせる。

みなさんは男性の髭(ひげ)にどのようなイメージを持っているでしょうか。私自身も、だらしない・不潔というイメージがあります。日本人男性のほとんどが毎日髭(ひげ)を剃っています。しかし、人類の歴史ではカミソリが登場したのは数百年前あたりでそれまでは髭(ひげ)は伸ばしっぱなし、たまに切る程度だったのでしょう。

髭(ひげ)の皮脂とフェロモン

髭(ひげ)は男性だけに生えて女性には生えません。そんな男性の象徴とも言える髭(ひげ)ですが、髭(ひげ)から大量に分泌される皮脂には微量のフェロモンが含まれ女性の排卵を起こさせる作用があると言われています。

髭(ひげ)は皮脂腺から分泌される大量の皮脂を蓄え、その匂いをばらまく。それが第一の働きと考えられています。その証拠に髭(ひげ)は縮れ匂いをためやすくなっている。男には女に排卵を起こさせる力がある。
「遺伝子が解く!万世一系のひみつ」動物行動学者:竹内久美子

排卵期にお尻が赤くならない人間

人間に最も近い動物とされる霊長類のチンパンジーやボノボは排卵期となるとメスのお尻が赤くなり排卵を知ることができます。しかし、人間の女性にはそれがなく男性は排卵を知ることはできません。これが人間に発情期がなく男性の異常とも言える常日頃性欲を持っている理由とされています。言葉すら存在しない時代に女性は男性のフェロモンを感じて排卵をコントロールする術を身に着けたのかもしれません。ぜひ女性は髭(ひげ)を生やした男性を見たら、なんて男らしいの!と感じてあげてください。

類人猿との精子比較と進化

2018-12月は奇形精子の役割を特集しました。その際にチンパンジーの乱婚であると述べました。人間を含め他の類人猿(ゴリラ・チンパンジー)のオスとメスの婚姻関係を見ると面白い精子の比較ができます。

類人猿との精子比較

チンパンジーは乱婚

「チンパンジーは乱婚」です。チンパンジーは排卵期にお尻が赤くなり複数のオスたちが争うように交尾して子宮内は他のオス同士の精子であふれかえり精子戦争が起きています。そのためオスには大量の精子・大きな睾丸が求められます。

ゴリラは一夫多妻

ゴリラの場合は一夫多妻で大きな身体を使った腕力でオスと戦いメスを獲得しているため、メスは他のオスが交尾することもなく精子戦争も起きません。そのためゴリラは少量の精子・小さな睾丸に進化しました。ペニスも約3cmと小さめです。

人間は一夫一妻

人間は基本的に一夫一妻。アフリカやイスラム社会では一夫多妻の国があるようです。身体はチンパンジー似ですが繁殖はゴリラに似ています。そのためか精子の数・睾丸の大きさを比べるとチンパンジーとゴリラの中間くらいになっています。

チンパンジー 人間 ゴリラ
婚姻関係 乱婚 一夫一妻 一夫多妻
体格 小さい 中間 大きい
ペニス 約8cm 約15cm 約3cm
睾丸の大きさ 人間の3倍 中間 小さい
精子数 約5~6億 約1~2億 約0.5億

人間の精子は悪くなる運命にある

子孫を残すために睾丸を大きく成長させたチンパンジー、身体を大きく成長させたゴリラ、それぞれの生存戦略が伺えます。人間の遺伝子はゴリラよりもチンパンジーに近いですが、メスとの婚姻関係を見ると精子戦争が起きていないゴリラに近いことが分かります。近年、人間の男性の精子数が減ったり運動率が悪くなっていると言います。しかし、それは進化の結果なのかもしれません。

参考:乱交の生物学(新思索社)

 

 

奇形精子の役割

 

奇形精子とは?

みなさんは奇形精子を知っているでしょうか。だいたいどの男性でも奇形精子が含まれています。精子の尾が曲がっていたり頭小さかったり大きかったり・・。奇形精子が授精したら奇形の子どもが産まれてくるのではないかと不安に思い、精液検査の時にお医者さんに聞いたところ、まず奇形精子は、精子として不完全な形態で受精能力がなくうまく泳ぐことが出来ないと言っていました。さすがに精子の40%以上が奇形精子ともなると異常なようです。最近では誤解をしないように精液検査の際に「奇形精子数」という表記でなく「正常形態精子数」として表記する病院もあるようです。

人間に近い、チンパンジーは子宮内で精子戦争が起きている。

人類の歴史はチンパンジーと共通祖先が枝分かれした※(1)約700万年前に始まると言われています。私たち人間に一番近い動物はチンパンジーとなります。遺伝子も98%が同じだとされ、チンパンジーは人間に近い動物だと言えるでしょう。チンパンジーのメスは排卵期ともなるとお尻が赤くなりオスたちはそれを目印として交尾します。チンパンジーは乱婚で1頭のメスに対して何頭ものオスが同時期に交尾するため子宮内はオス同士の精子であふれて、そして精子たちは受精を競い合います。

※(1)この700万年という数字は人間とチンパンジーの遺伝子の違いを調べ、この遺伝子の差が出るには共通祖先が別れてから約700万年必要であるという研究から導かれました。(科学雑誌Newton2019/01月号・サピエンスのすべて)

奇形精子が他のオスの精子侵入を防いでいる。

形の良い元気な精子たちが卵子を目指している間にうまく泳げない奇形精子が存在することで、後から来たオスの精子の道をふさぎ子宮に侵入することを防ぐ役割をするのではないかと考えられています。「精栓」と言ってメスの子宮口で精液が凝固して子宮に栓をする特徴を持つ猿もいるようです。

※15分間に約2.5cmの速さで進む精子たちは卵子がないとき、卵管壁に頭をひっかけて数日間待機します。

参考文献:いのち誕生(主婦の友社)・精子戦争(河出文庫)

月経回数増加と婦人病の関係

 

1万年前の月経回数

1万年前と現代女性の月経回数を比較すると現代女性は月経回数が増加したことがわかる。1万年前と言うと栄養状態が悪く初潮が遅い、そして閉経も早い。また寿命も短い。乳児死亡率が高く多産が求められ、栄養状態が悪いので授乳期間は2~3年間あったとされる。(授乳期間は無月経とされる)1万年前の生涯月経回数は100回以下であるとされている。

現代の月経回数

現代女性は初潮も早く、閉経も遅い。そして妊娠回数も非常に少ない。授乳期間は約1年間。そうすると現代女性の生涯月経回数は400回を超える。

1万年前 現代
初潮から閉経 16~40歳 13~55歳
妊娠回数 4~5回 1~2回
授乳期間 2~3年 1年
生涯月経回数 100回以下 400回以上

月経回数増加が婦人病の原因だと考えられている

毎月の月経時に大量に分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が婦人病(乳がん・子宮内膜症・女性器系がん)の原因だと考えられている。
乳がんにおいては1960~70年代に比べて1990~2000年代には罹患者が約3倍に増えている。この時期は少子化が始まり出産回数が減少し月経回数が増えた時期と重なる。経口避妊薬を常用していた人、出産回数が多い人、卵巣を摘出した人にはこれら婦人病にかかりにくいことが疫学的にわかっている。

エストロゲンの主な作用
子宮 子宮内膜の増殖・子宮筋層の肥大増殖促進・頸管粘液の分泌増加
生殖器に対する作用 卵巣 排卵の調節
膣上皮細胞の角化・膣上皮細胞へのグリコーゲンの貯蔵
中枢神経系に対する作用 性周期の形成
乳房に対する作用 乳管の発育促進・乳汁分泌の抑制
皮膚に対する作用 皮膚コラーゲン量の増加・ヒアルロン酸、水分含有量の増加
血管に対する作用 血管の拡張
脂質代謝への作用 HDLコレステロールの増加・LDLコレステロールの低下
骨に対する作用 骨吸収の抑制
糖代謝への作用 インスリン抵抗性の維持、改善・糖代謝の改善

参考文献:「病気はどこで生まれるのか(技術評論社)」「名医の言葉で病気を治す。女性のがん(誠文堂新光社)」「女の一生の「性」の教科書(講談社)」「31歳からの子宮の教科書(discover)」「環境生殖学入門(朝日出版社)」

女性は「匂い」で男を選ぶ

これから精子提供を受けて生まれてくる子どもに望むものは何でしょうか。頭の良さ・高い身長・スポーツ万能。しかし、誰しも望むのは健康で元気な子どもが生まれてくることではないでしょうか。今回は「匂い」で男性を選ぶという方法を紹介します。

女性は「匂い」で男性の免疫システムを嗅ぎ分けている

1995年スイス・ベルン大学クラウス・ウェデキント博士が「Tシャツ実験」を行った。男子学生44人に2日間Tシャツを着させて汗と体臭まみれにさせ、女子学生49人にそのTシャツを嗅がせて好きな匂いと嫌いな匂いを選ばせた。

すると女子学生たちは自分とは免疫システムの異なる男子学生のTシャツを好きな匂いだと選んだ。逆に自分と似た免疫システムの男子学生のTシャツを嫌いな匂いだと判断した。

女性は「白血球の血液型(HLA)」の違いを嗅ぎ分けている

HLAの元となるタンパク質には揮発性がなく匂いもない。しかしフェロモンと一緒に外部に出るとHLA型の違いが匂いの差になるのではないかと言われている。
人間の他にもハツカネズミ・魚・鳥・トカゲなど様々な動物が自分とは異なるHLAを持つ相手を好み「匂い」で選んでいる。

HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)とは?

赤血球の血液型は私たちの知るA.B.O型がある。白血球の血液型は複雑でA.B.C.D.DR.DQ.DP座があり例えばHLA-A座には60近くの型がある。それぞれの組み合わせは数万におよぶ。その組み合わせは父親と母親から半分ずつ受け継ぐことになる。
HLAは体内から病原体を排除する際に免疫に識別コードを提供している。この識別コードが長いと免疫力が強いと言える。
このHLAに異常があると免疫は病原体ではなく自分の健康な細胞を排除してしまう。それは自己免疫疾患と呼ばれ遺伝する傾向があると言われている。

自分とは違うHLA型を選ぶと、子どものHLA型に多様性が生まれ病気に強くなる

医療が発達しておらず平均寿命も短かった時代、健康で丈夫な子供を産むことが生存するためにとても大切でした。このような厳しい生存環境下で子孫を残すため女性のHLA型嗅ぎ分け能力を身に着けたのでしょう。
HLA型が違う者同士が子どもを作るとHLA型の多様性が増し病気への高い抵抗力を獲得する可能性がある。
逆に自分と同じHLA型が一致する男女が子どもを作ると免疫力は弱まるとされる。実際にHLA型が一致する夫婦には流産が多いとも報告されている。

実際に結婚している夫婦のHLA型はどうなっているのか?

アメリカ・シカゴ大学マクリントック博士はこの研究対象をある集団で行った。アメリカには俗世間から離れ共同生活をするフッター派と呼ばれるアーミッシュと同じ宗派のキリスト教集団がいる。彼らは財産を持たず自給自足で生活している。彼らは宗教的迫害を受けていて同じフッター派同士でしか結婚していなかった。初めは400人の集団だったものが現在は4万6000人。つまり血が濃い集団である。HLA型が一致しやすいと予想されるこの集団で研究調査を行うことは一般社会で調査するよりも有意義であった。また彼らは正確な家系図を持っており婚姻関係が明確であった。

フッター派411組の夫婦に血液検査でHLA型を調べたところHLA型が一致したのはわずか44夫婦のみだった。この調査により改めて女性は匂いを通して無意識にHLA型の違いを嗅ぎ分けて結婚にも影響していることがわかった。

参考文献:だから男と女はすれ違う(ダイヤモンド社)・興奮するニオイ食欲をそそるニオイ(技術評論社)・とっても気になる血液の科学(技術評論社)・免疫とアレルギーの本(日刊工業新聞社)・匂いの記憶(光文社)

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書籍「精子提供」を読んで。子どもへの告知

書籍「精子提供」表紙

先月に続き、書籍「精子提供」を読んでいます。精子提供者としてはただ提供するだけなのですが、精子提供を受ける側としてはそれまでの経緯や人生ドラマがあることがわかりました。今回は「子どもへの告知」について、まとめ概要・引用と感想をお伝えしたいと思います。「子どもへの告知」とは、精子提供によって生まれたということを親が子供に伝えることです。

書籍「精子提供」では著者が精子提供を受けたご夫婦や生まれてきた子どもにとても詳しくインタビューをしてここではお伝えできないことが沢山書かれています。精子提供を受けるにあたり心配事や不安を抱えている人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産を「伝えない親」と「知りたい子ども」

伝えない親・夫婦

2001年慶応大・産婦人科調査によると精子提供で子供を出産した夫婦に「子どもへの告知」に対して、夫・妻ともに「絶対に話さない方がいい」という回答が70%以上。

親が「告知」しない理由

「家族を守っている男性が本当の父親だと思う」「話さないことが親の義務だと思う」「遺伝的な父親でない事が分かると家族関係が悪くなる」などがあった。「将来、子どもに精子提供による出産の事実を伝えようと思っているか」という問いに対して夫・妻ともに80%以上が「伝えない」と答えていた。

告知を考えていない夫・父親がとても多い

1999年慶応大産婦人科・精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産により父親になった男性不妊患者へのアンケート調査では「将来、子どもに告知することを積極的に考えている」と答えたのは146人中わずか1%に過ぎなかった。
精子提供を受けた夫婦のうち、夫に限るとほとんどの人が「告知」を考えていないことになる。

精子提供による出産には肯定的な夫・父親

2人目を希望すると回答した夫・父親は80%に及ぶ。つまり夫は「告知」に対しては否定的であるが、精子提供による出産に対しては肯定的な考えであることがわかる。

知りたい子ども

2007年8月末、大阪社会福祉会館で「大阪子どもネットワーク」が開かれた。精子提供で生まれた子どもたち当事者が集まり※「子どもの出自について知る権利」の必要性についてアンケートを取ると93人中73人、約80%が賛成。
精子提供で生まれた子ども達がこれほどにまで苦しんでいることが分かった。

※「子どもの出自について知る権利」=「自分がどのようにして生まれたのか」そして「自分の遺伝的ルーツはどこにあるのか」を知る権利のこと。

「告知」しなくても子どもは気づいている?

精子提供で生まれたアメリカのコードレイさんは、同じく精子提供で生まれた10~60代の人を対象に意識調査をした。親が精子提供で出産したことを隠していても「何か秘密にされていることがある」「父親と血がつながっていないのではないか」と感じたことがある人が半数近くもいた。

大人になって「告知」された子どもたちの声

Kさん男性:告知時29歳「よくも29年間も親に騙されていたよな。全然気づかなかったなんて、あまりにバカだったなと思いました。あきれて笑うしかなかったんです。」

Sさん女性:告知時32歳「子どもの頃には親に守られて幸せだった記憶がある。どんな辛いことがあってもそこへ戻れば安心できたのに、すべて嘘の上に成り立っていたことで大切な記憶も空白になってしまう。”私が失くしたもの帰してよ”と思ってしまうのです。」

Tさん女性:告知時31歳「ただ、父親と血がつながっていないことだけは”ああ、やっぱりな”と思えたんです。何ひとつ似ていないのは感じていましたから。そこだけは腑に落ちたけれど、あとは全部嘘だったのかと。目の前にある現実がすべて崩れ落ちるような気がしたのです。」

まとめと感想:「告知」しても精子提供者に会うことができない苦悩・もどかしさ。

この本を読んでいくと精子提供による出産を子どもに告知しない親が多いことがわかりました。病院が用意した精子を利用した場合、現在日本の法律では提供者についての情報・身元を知ることはできません。

子どもに精子提供による出産を「告知」しても提供者についての情報を知ることもできないし、会うこともできない。その様な解決されない問題や苦悩、もどかしい思いをするならば子どもに「告知」しないほうが良いのではないかという親の心境も伺えました。

大人になって子どもに「告知」した場合、親への怒り・不信感・信頼関係に問題が起きることが多いと感じました。大人になると自分の考え・物事への価値観をしっかりと持ち始めます。大人になってから告知をすると20代前半に獲得されるという※「アイデンティティ」の崩壊が起きると考えられます。つまり、親の存在が子どものアイデンティティの構築に大きく関与していると言えるのではないでしょうか。
※「アイデンティティ」とは、「自己確立」「自分固有の生き方や価値観の獲得」の事を言う。(アメリカ精神分析学者E・H・エリクソン)

追記:子どもへの参考告知方法

上記の様なアイデンティティの崩壊を防ぐには、幼少期から「告知」するという方法があります。

ドイツ人男性と結婚した由美子さん夫婦

4歳の長男がお風呂上りに自分の睾丸を指さして、「これなあに?」と聞いてきたことがある。由美子さんはその中に精子が入っていて、精子がないと子どもができないことを教えた。「お父さんにはそれがなかったから、親切な男の人から精子を頂いて君が生まれたんだよ。」と話すと、彼は「ふーん」と答えるだけだった。「子どもがどうやって生まれてきたかということは、家族にとって核となる事実。そこを隠してしまったら家族の信頼関係も築けないと思うんですね。

参考文献:「精子提供」歌代幸子著(2012/07)

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「精子提供」歌代幸子著(2012/07)を読んで。旦那さんの苦悩

書籍「精子提供」表紙

精子提供による出産・非配偶者間人工授精(AID=Artificial-Imagines-Donor)の歴史まとめ

世界初の精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産

世界初のAIDによる出産は1909年、アメリカのアディソン・ハードによる報告書が初の事例だと言われています。その報告書によると1884年に無精子症の夫婦に学生の精子を用いて行われました。しかし医師による独断で行われ、妻には伝えることなく、夫のみ伝えられたと言います。夫は妻に伝えることを拒んだと言います。生まれた子供はそのことを生涯知らされずに過ごしました。

日本初の精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産

日本初のAIDによる出産は1949年8月下旬慶大医学部産婦人科部長、安藤画一博士により女児が誕生しました。当時、AIDが必要とされた背景には戦時中に男性が出征先にてマラリアの高熱などにより男性不妊となるケースが多くあったようです。

今よりも一般的だった精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産

なぜ昔のほうが精子提供による出産が一般的だったかと言うと、体外受精が存在していないからでした。日本初の精子提供による出産が1949年、日本初の体外受精成功が1983年、そこから体外受精が普及し日本産科婦人科学会が体外受精出産を集計し始めたのが1989年。

体外受精が普及するまで男性不妊治療が人工授精止まりであったことが今よりも精子提供による出産が多い原因でした。体外受精などの生殖医療が発達した現代でも年間約1314組の夫婦がAIDを受け、年間約130名の子供が生まれている。(日本産科婦人科学会報告データ1998~2009年)

精子提供を受ける旦那さんの苦悩と葛藤(引用と感想)

「精子提供」歌代幸子著 引用:停留睾丸(腹腔に睾丸が停留してしまう病気)により睾丸を摘出した高見さん夫婦、旦那さんより。

「自分としては(このまま俺なんかと一緒にいていいの?)と考えてしまう。子供を作ることもできない夫では、男として負けたようなもの。俺以外の夫であれば、妻は自然に子どもを産むこともできるだろう。でも、俺といるばかりにそんな治療をしなければならないことが申し訳なく、それで本当にいいのかと・・」「もう後がないんだ。」

旦那さんの何もしてあげられない無力感・苦悩と葛藤が伺えます。本当に奥さんを愛しているからこその苦悩。男性不妊の夫婦には離婚にいたるケースもあると言います。

本当に旦那さんは精子提供を希望しているのだろうか。

人類の歴史はチンパンジーと種が枝分かれした700万年前に始まると言われています。700万年前から現在まで女性と違い直接出産をしない男性は、ずっと我が子である確証は得られず確信だけでした。これが男性には母性が生まれない理由とされています。

直接子供を産む女性には母性が生まれ他人の子供を育てるのは想像できますが、母性のない男性が他人の子供を育てることができるのだろうか。本当に旦那さんは精子提供を希望しているのだろうか。これが私が、精子提供を受ける旦那さんへの疑問でした。しかし、本を読み進めていくうちにその答えが見つかります。

「精子提供」歌代幸子著 引用:停留睾丸(腹腔に睾丸が停留してしまう病気)により睾丸を摘出した高見さん夫婦、旦那さんより。

「俺にはなにもできないけれど、妻には子供を産むことが出来る。女に生まれたからには一度は体験させてやりたい。夫婦の遺伝子を片方だけでも伝えるためにはそれしかない。そうでなければ自分も子どもを育てていくうえで愛情を注ぐことはできないんじゃないかと思ったんです。」

「私は妻を愛している。だから妻の遺伝子を継ぐ子供も妻と同じように愛して育てることが出来る。」と言うことではないでしょうか。今の時代、子供を授かることをあえて選択しないご夫婦も沢山いるなか奥様に子供を産ませてあげたいという愛情。旦那さんは博愛の精神・寛大な心をお持ちなのだと理解することが出来ました。

この後、高見さん夫婦がどうなったのか気になりますよね。いくら子供も愛することが出来るとは言っても本当のところは・・。それに答えるように著者がお子様が生まれた2年後に再びご夫婦を訪ねています。

精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産後、高見さん夫婦・旦那さん

「息子のよだれが口に入っても、まるで気にならない。父親として今しかできないこともあるから、子どもが甘えたり、期待していることはなるべく汲み取ってあげたいと思うんです。それが親子の信頼感につながるはずだから」

とても胸が暖かくなるような言葉ですよね。精子提供者としても、とても安心できます。

精子提供(AID:非配偶者間人工授精)による出産を検討しているご夫婦向け情報交換サイト

「精子提供」歌代幸子著では、精子提供による出産を検討されているご夫婦のための情報交換サイトが紹介されています。

参考文献:「精子提供」歌代幸子著(2012/07)・日本産科婦人科学会報告データ(1998~2009年)

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年齢を重ねた男性からは「女の子」が生まれやすい?

 

精子には「男子が生まれるY精子」と「女子が生まれるX精子」がある。

精子には「男子が生まれるY精子」と「女子が生まれるX精子」2種類の違うタイプの精子があります。きっとこれからお子様を授かる女性は産まれてくる子供が「男の子」か「女の子」か、とても気なりますよね。実は産まれてくる子供の性別を決めるのは精子の種類にあることをご存じでしょうか。

「性別」を決定する23組目の染色体がXY染色体の場合とのXX染色体場合です。
Y染色体をもつ精子が卵子に入れば男子が生まれ、X染色体をもつ精子が卵子に入れば女子が生まれるというわけです。

「Y染色体をもつ男子が生まれるY精子」には、「動きが速い・短寿命・精子数が多い」という特徴があり、「X染色体をもつ女子が生まれるX精子」には、「動きが遅い・長寿命・精子数が少ない」という特徴があります。

男子Y精子 女子X精子
動き 速い 遅い
寿命 短い 長い
精子数 多い 少ない

Y染色体はX染色体よりも小さく、身軽であるためこのような違いがあるという説がある。下の画像の右下を見るとXY染色体があり、X染色体よりもY染色体の方が小さいことが分かる。

男子が多く生まれるメカニズム

Y精子は男子が生まれ、X精子は女子が生まれることは説明しましたね。男子が多く生まれるという事はY精子がX精子に比べ多く作られているのではないか?という事になります。

アメリカ・ロサンゼルス不妊治療の医療研究グループは16~71歳までの男性5081人の男子Y精子と女子X精子の割合を調べた。その結果、46歳まではY精子がX精子の1.06倍となった。この1.06倍と言う数字は、出生数が女子100人とすると男子が生まれてくるのは105人でこの数値と極めて近くなる。

年齢別に見た男子Y精子と女子X精子の比

年齢 Y:X比
16.5~31.2 1.06±0.07
31.3~33.8 1.08±0.15
33.9~35.8 1.08±0.16
35.9~37.9 1.05±0.08
38.0~40.0 1.06±0.07
40.1~42.5 1.03±0.13
42.6~46.5 1.04±0.09
46.6~72.3 1.00±0.07

男性は加齢により男子Y精子が減り、女の子が生まれやすい

同研究によると46歳を過ぎると男子Y精子と女子X精子の比は1:1となった。男性は加齢とともに男子が生まれるY精子が減るようです。最近だと、歌舞伎の中村富十郎74歳、俳優の上原謙71歳、三船敏郎62歳から生まれたお子様がすべて女の子だったようです。そう言えば私の知人男性も40歳近くでお子様を授かったのですが女の子だったなぁ、と思い出しました。

「男の子」がほしいときは年齢の若い精子提供者。「女の子」がほしいときは年齢を重ねた精子提供者を選んでみるのもいいかもしれませんね。あまり関係ないような気もしますが・・。

参考文献:消えゆくY染色体と男たちの運命(秀潤社)・Y染色体から見た日本人(岩波書店)

参考リンク

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イケメンを見て妊娠力UP!

 

イケメンを見て妊娠力UP!

女性ホルモン値が低く生理が来ないと診断された女性がイケメンのライブに行った後に生理が来た!というエピソード。ネットにこの情報が掲載されると「私も経験がある!」という声が相次いだそうです。まだ医学的な研究はされていませんが、素敵な男性にときめいたことで女性ホルモンが活発になったとのこと。逆にオリピンピック選手などは大会前には強いストレスを与え生理を止めることができるようです。働く女性はストレスも多く体調やホルモンも乱れがちですが、たまには素敵な男性の映画やドラマを見て妊娠力UPさせてみませんか。

参考リンク

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子供の生活習慣病は妊娠中(胎児期)に決まる

 

やせ女性から2500g未満で生まれてくる子供(低出生体重児)が増えている

最近の日本では生まれてくる子供の体重が少なくなってきている。2500g未満で生まれる子供の数が約10%にもなるという。平成19年には出生数1089818人の9.8%が低出生体重児(2500g未満)、約10人に1人となる。この数は先進国でも突出している。この背景には「やせ女性(BMI18.5以下)」の増加がある。特に出産年齢の20代は17.4%、30代は15.6%がやせ女性となり高くなっている。※厚生労働省:人口動態統計による

低出生体重児は生活習慣病にかかりやすい。具体例:第2次大戦中ナチスドイツ占領下オランダでの妊婦さん

妊婦さんの摂取カロリーが約6か月にわたり1日1000kcal以下に制限された(オランダ飢餓の冬と呼ばれる)。栄養状態の悪い妊婦さんから生まれた子供たちは低出生体重児となった。その子供たちが戦後成人して肥満・糖尿病・精神疾患が多発したというイギリスの研究。またその肥満や糖尿病などは約60年、孫の世代まで遺伝したと言う。

オランダの妊婦さんに何が起きたのだろうか

妊婦さんは、お腹にいる子供が飢餓環境に適応して少ない食べ物でも生きられるように※遺伝情報を変えた。しかし、戦争が終わり食べ物がありふれた飽食の時代となり逆に栄養過多となってしまったのが原因とのこと。

何が起きたかもっと詳しく!

※遺伝情報を変えた。この場合、インスリンと同じ作用をするインスリン様成長因子2(IGF2)のDNAのメチル化(遺伝情報がOFF状態になる。)が低下した。インスリン様成長因子2(IGF2)はインスリン分泌に関わる遺伝子ではないかと言われています。このインスリン様成長因子2(IGF2)に結合するタンパク質(IGF2BP2)の型を遺伝子検査で調べることにより第2型糖尿病発症リスクを調べられます。GT型・TT型であるとインスリンの作用が低下して第2型糖尿病のリスクが高くなるようです。第2型糖尿病は飢餓を何度も経験した日本人に多いと言われています。また逆に、妊娠中に高脂肪・糖質を大量に摂取するとインスリン様成長因子2(IGF2)のDNAのメチル化が高くなり、子供がADHDを発症したという報告もある。参考文献:ジェネシス遺伝学研究所HP・富山大学医学部HP

妊娠中にダイエットしたり、体重増加を恐れてしまうと子供が生活習慣病になってしまう

 

妊娠中は体重が増加したりスタイルが崩れてしまったり・・。しかし、食事を減らしたりすると子供が生活習慣病になってしまうかもしれません。生まれてくる子供のためにもたくさんご飯を食べたいですね。ちなみに私の親族・血縁者には肥満や糖尿病の人はいません。

参考リンク

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